お金がないと幸せにはなれないのか?
今学期、学年の総合の時間で「お金について学ぼう」という単元を組みました。
内容は、世の中のお金の流れや、お金の大切さ、お金を稼ぐことや、お金をどう使うか、そして、投資について。(イメージは両学長のお金の大学の感じです)
それぞれの内容の授業を、ワークシートを使いながら、学年約100名に対して全十数回にわたり行うというものでした。
「働く≠雇われる」
30代になり、家の購入や結婚や子育て等によってライフスタイルが大きく変化したことに伴い、お金について考えることが増え、ブログやYouTube動画を漁る日々が続いていました。
そんな中で、この「教員」という仕事の働き方について考えることが多くなり、私が今行っている教育活動も、私のような
『雇われる働き方をスタンダードにする考え』
が根底にあることに気がつきました。
それは、まさに私がこれまでずっと感じてきた違和感の正体でした。
もちろん、全員が独立・企業をすべきだと言いたいわけではありません。
ですが、少なくとも、私が12年間子どもたちに将来の夢を問い続けて、「社長になる」「会社員からゆくゆくは独立する」と答えた子は1人もいませんでした。
私が子どもの頃もいなかったように感じます。
もちろん、私自身も「なりたい」とも「なれる」とも思っていませんでした。
世間的には、やりたい仕事を考えた時に、子どもも大人も関係なく、目立つ仕事が目標になりやすい傾向があります。
ですが、世の中には、私自身もまだ知らない多種多様な仕事があります。
それらを知らずして、子どもたちに夢を問うことはできないと考えたので、今回のお金の授業をした経験は私にとって、やりたいことがはっきりするきっかけとなる良い経験だったと思います。
雇われる働き方だけではなく、自分のスキルや自分自身を商品にして価値提供する方法や、インターネットを活用した認知・集客方法があるということを学ぶことは、現代を生きる子ども達にとって今や必要不可欠な要素となっています。
また、これからはどんな才能や趣味が仕事に繋がるかわかりません。
・YouTube
・ゲーム
・ダンス
・大食い
本気で求める人が1人でもいれば、それは新たな価値となり、自分だけの仕事になります。
そんな時代を生きる子ども達は、本来希望に満ち溢れた気持ちをもつべきだと思います。
そうなっていない原因の一つに教師の経験量があるのではないでしょうか。
本当に伝えたいことと実際に教えていることの内容の乖離
これこそが私の教員人生を考え直すきっかけになりました。
今回お金の授業するにあたって、私が一番心がけたことは、必ずしも「お金は大事、でもお金だけあれば幸せというわけではない」という観点です。
・お金には人を狂わせる魔力がある。
・お金がどれだけ増えてもお金の不安は消えない。
・お金は強みにもなるが、弱みにもなる。
・お金は命にかかわるもの(自殺率の観点)
などなど…
いろいろ考えると、「もはやお金とは哲学なのではないか?」と思うほどでした。
しかしながら、子どもたちにとって、「欲しいものを手に入れる手段がお金である」という認識は強く、「クリスマスに欲しいものは?」と聞くと、「お金」と答える子も少なくない実態があります。
「夢がないなぁ」と返す反面、内心では「確かに自分も同じだ…」と考えてしまっています。
その反省点から、自分の中にあるお金についての悪いマインドを考え直すことにしました。
【悪しきお金のマインド(育休t調べ)】
・お金がないと不安
・教員は「頑張っても頑張らなくても報酬は同じ」と努力とお金を結びつけてしまっている
・節約とポイ活で気休めしている
・「お金の安定」と「心の安心」を同一化している
・子どもには「チャレンジしよう!」といいながら自分は「安定」を選んでいる
などなど…
これでは真に良い教育も、子ども達を幸せにすることもできません。
お金=幸せ?
本題ですが、『お金=幸せ』とは真実でしょうか?
私の結論は『NO』です。
ただし、幸せにたどり着くまでの『近道となる手段』にはなり得ると思います。
「お金より時間が大事」という言葉もありますが、私は
自由な時間はお金があるから生まれる
と考えています。
つまり、自分の時間を自由に使えることが幸せだとするなら、お金はそのために必要なものだと思います。
「それじゃあ、結局『お金=幸せ』やないかい!」
そんな気持ちも否めない中、その罠にはまり、なかなか幸せを感じきれていない今日この頃の私ですが…
教育的な視点で考えると…
子どもの認知能力と非認知能力は、家庭の経済状況、および家庭環境の総合力によって大きく変わります。
大人が毎日幸せで笑顔で過ごしていれば、子供もそのようになり、大人が日々にイライラし、お金のストレスに追われている姿を見せてしまえば、子どもも不安定になります。
つまり、
教育とは、親の経済状況に大きく左右されるものなのです。
そして、私たちはすべからく家庭の中で、親のもとで育ってきました。
だからこそ、潜在意識には「お金がないと良い家庭環境は作れない」と言うマインドが刻み込まれているような気がしています。
そのような現代において、私が強くお勧めしたいのが
『今ある幸せに目を向けて、先に幸せになる』
正確には、「先に幸せを感じられる感覚を養う」と言う表現が良いかもしれません。
おそらく今スマホやパソコンタブレットなのでこのブログを見ていると思います。
あなたの周りには豊かなものに囲まれた生活があるはずです。
心の中ではお金の不安が付きまとっているにもかかわらず、
現代においては今目の前にある幸せを感じることができない大人は多いです。
もちろん私もその1人でした。
今も時々そうなりますが…(自戒)
今あるものを大切にすることは、表面的な損失やお金のなさからくる不安を軽減してくれます。
「生きているだけで幸せ」
「食べるものがあるだけで幸せ」
「着るものがあるだけで幸せ」
「住む場所があるだけで幸せ」
という基本的な「衣食住」。
そして、
「命がある」
という当たり前に目を向け、
それを一番大切にすることが、今の子どもにも大人にも必要だと思います。
『教育は贅沢品』です。
大人たちはいつしかそのことを忘れてしまいました。
もちろん子どもも。
かといって、教育のない世の中を一度作ってみるなんてことは現実的ではありません。
ある大学教授は言いました。
「無料で学ぶのと、お金を払って学ぶのでは、どちらが身になると思う?」
正解は、
「お金を払って学ぶこと。」
「手放すから手に入る」
という言葉の通り、自ら大切なものを手放して、学びに向かう姿勢こそ、本気を生み、実力をつけるために必要な要素となっていると思います。
もし、あなたのお子さんや教え子が、何も施すことなく、学ぶ意欲に満ち溢れているとしたら、それはただただ家庭の教育力が高いからだと思います。
もちろん、「子どもにお金を払って教育を受けさせろ」とは言いませんが、学びの価値やその上で支払われる対価については教える必要があると思います。
『教育は贅沢品』です。
教育を受けられているという当たり前に、本気で感謝することができた時、我々本当の学びを得ることができるのだと思います。
そのことを忘れずに、日々精進していきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
わたくし育休は、来年度の育休期間を機に新たに道を開拓すべくなんやかんややっている者です。
そんな私の拙い文章をここまでお読みになっている物好きなあなたに、素敵な未来が待っていることをお祈りします。
ありがとうございました^^
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